コーポレートガバナンス

 継続した企業価値の安定的向上に努め、株主の皆さまを始めとする全てのステークホルダーから期待され、信頼される企業であり続けることを、経営の基本理念としています。健全なる企業風土を基礎とし、グローバル企業として一層の競争力向上のため、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に取り組んでいます。

コーポレート・ガバナンス体制

 東海理化のモノづくりの源流である「人が手掛けないことこそやる」のチャレンジ精神に沿って、持続的な成長と企業価値の安定につとめ、株主の皆さまをはじめとする全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けることを経営の基本理念としています。2022年6月社外取締役を1名追加選任することにより多様な視点から経営の実効性を高め、さらなるコーポレート・ガバナンスの向上に取り組んでまいります。当社は法定事項および経営戦略などの重要事項の意思決定や執行の監督を行う取締役会を毎月1回、業務執行に関する決定や報告を行う経営会議を毎月2回以上開催しています。2022年1月に会社を取り巻く環境の変化や経営課題に迅速に対応できるよう、開発体制を各ビジネス領域に再編し、5つのビジネスセンターを新設したことで経営のさらなるスピードアップを推し進めていきます。

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

 取締役会は取締役社長が議長となり、社外取締役3名、社外監査役3名を選任することにより、多様な経験や見識を掛け合わせることができる社内と社外の役員で構成されています。経営上の重要事項や将来に向けた事業の方向性を議論・決定し、さまざまな視点で執行体制の健全性を監視、方向修正を行う透明性も確保しています。もとより内部統制システム、リスク管理体制は整備されており、
攻めの経営ができる体制を整えています。

監査役会

 監査役会では年間を通じ、監査役監査方針および監査計画の策定、常勤監査役の月次活動報告、監査役監査活動の年間振り返り、監査役会監査報告書の審議・作成、会計監査人の再任・不再任の決議などを行っています。各監査役は、監査役監査基準、監査役会規則などに則り、監査役監査を実施しています。具体的には、取締役会や経営会議などの重要な会議に出席し、議事運営・議案内容などを監査し、必要に応じ意見表明を行っています。

社外取締役・社外監査役の推移

2019年6月 2020年6月 2021年6月 2022年6月
取締役 社内/社外 11/ 2 4/2 4/2 3/3
13 6 6 6
藤岡 圭 藤岡 圭 藤岡 圭 藤岡 圭
社外取締役の構成 山中 康司 山中 康司 都筑 昇司 都筑 昇司
宮間 三奈子
監査役 社内/社外 2/3 2/3 2/3 3/3
5 5 5 5
内山田 竹志 山科 忠 山科 忠 山科 忠
社外監査役の構成 山科 忠 地田 稔 地田 稔 地田 稔
山田 美典 山田 美典 山田 美典 山田 美典
社外取締役比率 15% 33%・制度変更により、
社内取締役数減
※取締役と執行役員の
役割の再定義
33% 50%・初の女性役員

指名委員会

 取締役および執行役員の選任・解任に関する議案の審議・答申

構成員 二之夕代表取締役社長
佐藤代表取締役副社長
藤岡取締役(社外:委員長)
都築取締役(社外)
宮間取締役(社外)

報酬委員会

 取締役および執行役員の報酬制度、および個人別報酬に関する審議・答申(月額報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬、など)

構成員 二之夕代表取締役社長
藤岡取締役(社外:委員長)
都築取締役(社外)

委員会(全社環境委員会)

 全社環境委員会は、事業活動を通じて持続可能な社会の構築に貢献していくため、環境マネジメントシステムを継続的かつ効果的に運用するための環境委員会を構成し運営しています。取り組みの柱として、気候変動などの地球環境問題への対応の「脱炭素社会」、「循環型社会」、「自然共生社会」の3つの柱を掲げ、中長期的な観点での対応を推進しています。

構成員(出席率)

氏名 役職 取締役会 指名委員会 報酬委員会 監査役会
二之夕 裕美 代表取締役社長
社長執行役員
12回/12回(100%)
2回/2回(100%) 2回/2回(100%)
佐藤 幸喜 代表取締役
副社長執行役員
12回/12回(100%) 2回/2回(100%)
西田 裕 取締役
執行役員
12回/12回(100%)
藤岡 圭社外 取締役 12回/12回(100%) 2回/2回(100%)
2回/2回(100%)
都築 昇司社外 取締役 12回/12回(100%) 2回/2回(100%) 2回/2回(100%)
宮間 三奈子社外 取締役 2022年6月より出席 2022年6月より出席
杉浦 勲喜 常勤監査役 12回/12回(100%) 12回/12回(100%)
堀田 正人 常勤監査役 12回/12回(100%) 12回/12回(100%)
山科 忠社外 監査役 12回/12回(100%) 12回/12回(100%)
地田 稔社外 監査役 12回/12回(100%) 12回/12回(100%)
山田 美典社外 監査役 12回/12回(100%) 2回/2回(100%) 12回/12回(100%)

取締役会

取締役会の審議の活性化に向けた取り組み

 当社では、取締役会(臨時取締役会を含む)に上程する議題、議案資料については、取締役会開催日の3日前に役員会の会議システムに投稿する「3日前ルール」に基づき、社外取締役・社外監査役が取締役会資料を先立って閲覧できるようにしています。取締役会において建設的な議論・意見交換を行うために取締役会の2日前に社外役員に対し資料の事前説明を行うとともに、経営会議の資料・議事録の共有化も実施しています。取締役会をはじめとする会議体の議案は、簡潔かつ明瞭な資料にて説明を実施し、審議時間の確保にもつとめています。オンライン会議での参画や紙面審議につきましても即時性と双方向性が満たされた適時的確な取締役会の運営を常に実施しています。

スキルマトリックス

 当社を取り巻く環境や時代が大きく変わる中、社会に貢献し、持続的に成長していくために、事業基盤をより強固にしながら、社会課題の解決に挑む必要があります。上記を当社の今後の成長戦略と位置付け、スキルマトリックスの項目を選定しています。

スキルマトリックス

地位 代表取締役社長
社長執行役員
代表取締役
副社長執行役員
取締役
執行役員
取締役 取締役 取締役
社外 独立社外 独立社外 独立社外
氏名 二之夕 裕美 佐藤 幸喜 西田 裕 藤岡 圭 都築 昇司 宮間 三奈子
企業経営ガバナンス
技術開発
SDGs ダイバーシティ
カーボンニュートラル
IT・DX
コンプライアンス
海外事業
モノづくり
営業
財務
改善された事項
  • 取締役会規則の改訂により会社の方向性を議論する議題など議案の上程基準の見直し
  • 社外役員に対する社内重要会議への参画
  • 役員会議体資料作成のさらなる充実化
  • 議案に適した審議時間の設定
さらに改善が必要な事項
  • 中期経営計画の進捗確認など経営の重要課題についての
    議論の拡充

取締役会の実効性

 当社は、取締役会の実効性向上のため、2021年7月に取締役会の中で、取締役会の実効性確保および運営方法について、評価を実施いたしました。
取締役会の事前説明の充実、資料の開示のタイミング、資料の枚数、見やすさなどの改善を継続して行っており一定の実効性は確保できていると評価しています。今後は、個々の中期テーマを取締役会の討議事項に設定することに着手するとともに、これまで個別に決議してきた投資案件を包括的な審議案件として一つにまとめるなど、運営方法についてもさらなる改善に取り組んでおり、取締役会の実効性向上をめざしてまいります。

社外取締役・社外監査役

選任理由

役職 氏名 選任理由
社外取締役 藤岡 圭 藤岡圭氏は、三井倉庫ホールディングス株式会社において、企業経営の分野をはじめとする豊富な知識と物流部門における豊富な経験を有しています。その豊富な経験と知見、見識を、主に物流部門を中心とした経営全般について、専門的な観点から当社の業務執行に対する監督、助言などをいただくことを期待し、独立役員として選任しています。
都築 昇司 都築昇司氏は、株式会社デンソーにおいて、営業、人事、調達およびIT部門の分野をはじめとする豊富な知見と経験を有しています。その豊富な経験と知見、見識を活かして、専門的な観点から経営全般に対する監督、助言などをいただくことを期待し、独立役員として選任しています。
宮間 三奈子 宮間三奈子氏は、大日本印刷株式会社において、研究・企画開発部門での経験に加え、人財育成や多様性確保の旗振り役として、実績を積まれています。その豊富な経験と知見、見識を活かして、客観的かつ科学的な視点から、経営変革への助言などをいただくことを期待し、独立役員として選任しています。
社外監査役 山科 忠 山科忠氏は、経営に関する高い知見を当社の経営に反映していただくため。また、証券取引所の定める独立性基準を満たしており、取引先さまの業務執行者であったものの、取引額が僅少である為、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員に指定しています。また、主要な取引先さまかつ主要株主の業務執行者であったことについて、退任してから8年と相当な時間が経過しているため、当社の独立役員とすることに支障はないと考えています。
地田 稔 地田稔氏は、直接会社の経営に関与した経験はありませんが、トヨタ自動車株式会社において、長年にわたり車の内装に関わる開発や設計の分野に携わっており、その分野における専門的な経験と知見、見識を有しています。その豊富な経験と知見、見識を当社の監査に反映していただきたく、社外監査役として指定しています。
山田 美典 山田美典氏は、公認会計士としての専門的な知識、知見などを当社の監査に反映していただくため。また、証券取引所の定める独立性基準を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことから、独立役員に指定しています。

社外取締役・監査役へのサポート体制

 社外取締役・社外監査役の就任時には、会社の事業・財務・組織・製品などの概要説明の他、経営会議資料と議事録の開示、毎月行う生産部門会議にて生産現場のモノづくりや改善状況の視察を行っています。また、社内の中期経営計画策定会議にも参画いただき、当社の将来の事業に向けた取り組みについてもご理解いただけるようつとめています。

経営陣幹部の選任・解任と、取締役候補の指名

 取締役候補および執行役員候補の指名は取締役社長が原案を作成し、役員の選任・解任プロセスの独立性・透明性を高めるために設置された社外取締役を議長とした指名委員会にて審議し、指名委員会からの答申を踏まえ、取締役会で決議いたします。また監査役の候補の指名は、財務・会計に関する知識、企業経営に関する多様な視点を有しているかなどの観点により総合的に検討しています。

内部統制

 当社および子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制として、経営理念、グループ方針など、共有の指針をもってグループ経営を行い、さらに子会社の経営について、各社の自主性を尊重しながらも、承認・報告事項などを定め管理することで、子会社の業務の適正性と適法性を確認する体制を整備しています。
なお、役員に関する情報は、有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書へも記載していますのでご参照ください。

役員報酬の決定方針について

譲渡構成とその支給対象

役員区分 月額報酬 賞与 株式報酬
社内取締役・執行役員
社外取締役
監査役・社外監査役

※社内取締役、および執行役員の報酬割合は、基準額で概ね、月額60%: 賞与30%:株式10%程度にて設定。

基本方針

 報酬の基本方針として、株主の負託に応えるべく、役員の業績向上への意欲を高め、長期的な企業価値増大に寄与する報酬体系としています。報酬水準はそれぞれの責務の大きさを勘案し、役職に応じた基準を制定しています。基本報酬(月額報酬)、短期インセンティブ(賞与)、中長期インセンティブ(株式報酬)により構成しています。

月額報酬

 各取締役および執行役員の月額報酬は、職責、従業員の給与水準および他社の水準などを分析した上で、原案を作成し、取締役会における決定事項の独立性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として設置された社外取締役を議長とする報酬委員会での審議・答申を経て、取締役会にて決定しています。また、各監査役の報酬額は監査役の協議により決定しています。月額報酬は、株主総会の決議により定められた報酬総額の上限額の範囲内において決定しています。

賞与

 各取締役(社外取締役除く)および執行役員の賞与額は、企業本来の営業活動の成果を反映する連結営業利益、経営環境、従業員への賞与支払額および各人の活動評価をベースに原案を作成しています。その原案に対して、取締役会における決定事項の独立性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として設置された社外取締役を議長とする報酬委員会での審議・答申を経て、賞与の支払総額を株主総会にて承認を受けたうえで、取締役会にて決定します。

株式報酬

譲渡制限付株式報酬の概要

対象者 取締役(社外取締役を除く)および
執行役員
株式報酬枠 年額40百万円以内
上限株数 年40千株以内
譲渡制限期間 取締役、監査役および執行役員の
いずれの地位も退任する日までの期間

 各取締役(社外取締役除く)および執行役員の株式報酬 (譲渡制限付株式報酬制度)は、当社の中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを促すとともに、経営者として、より一層強い責任感を持ち、株主の皆さまと同じ目線に立った経営を推進することを目的とし、経営環境、および他社の水準などを勘案した上で、原案を作成しています。その原案に対して、月額報酬、賞与と同様に、取締役会の諮問機関として設置された社外取締役を議長とする報酬委員会での審議・答申を経て、取締役会にて決定しています。

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