人財育成

成長戦略を支える人財基盤の強化
~変革をリードする人財の育成~

選抜人財の育成

将来の経営を担う人財の計画的な育成を目的に、選抜型の「経営人財育成プログラム」を推進しています。2026年度は、次世代幹部職候補および次世代リーダー候補を対象に、経営人財として求められる視座・思考・行動の習得に加え、自らの役割認識と成長課題の明確化を実施します。研修では、経営マインドの醸成や戦略思考の習得に加え、実務と連動した課題設定および振り返りを組み合わせ、学びを現場での行動変容へとつなげるしくみを強化しています。さらに、育成責任者を巻き込んだ個別育成と継続的なフォローにより、候補者一人ひとりの成長を加速させ、経営人財プールの強化につなげています。

経営人財育成プログラム全体像

ライン長研修

ライン長(マネジャー層)を対象に、組織成果と人財育成を両立するマネジメント力の強化を目的とした研修を実施しています。2026年度の研修では、自部署の課題を題材とした実践的な演習と現場での実行・振り返りサイクルを組み合わせ、日常業務の中でマネジメント行動を定着させるしくみを強化しています。これにより、メンバーの成長を通じた組織力の向上を促進しています。

海外トレーニー制度

グローバルに活躍できる人財の育成に向け、若手社員を対象とした海外トレーニー制度を実施しています。海外派遣そのものを目的とせず、現地での実務経験を通じた主体的な課題解決や、異文化環境における行動力の発揮を重視しています。派遣前後の研修や振り返りを通じて学びを定着させるとともに、現地での経験を自部門へ還元するしくみを強化しています。これにより、語学力や異文化理解に加え、グローバルな視点で課題を捉え実行できる人財の育成を推進しています。

ITリテラシー教育、デジタルツール、階層別教育

DX推進に必要な人財を、全社員のデジタルリテラシー層から部門で改善を担う人財、全社変革をリードする人財まで定義し、役割に応じた人財育成を推進しています。デジタル活用力の向上に向け、階層別教育を実施するとともに、情報システム部が中心となり、業務効率化アプリ開発やデジタル技術活用に関する教育機会の充実を図っています。今後は、育成ロードマップの整備や育成施策の高度化を進め、全社的なデジタル活用の底上げとDXを牽引する中核人財の育成を通じて、持続的な企業変革を支える人財基盤の強化に取り組んでいきます。

目標 2025年度実績
ITリテラシー教育 全社員受講 100%受講
市民開発者 500名育成 512名育成
生成AI 全社活用率:80%以上 72.2%

事技系TPS

事技系TPS活動では、2025年に「まずはやってみる」を合言葉に、41部署が主体的に改善活動へ取り組みました。全体を7グループに編成し、定期的な進捗共有を通じて知見の横展開と相互啓発を推進。12月には各グループ代表8部署による合同発表会を開催し、成果を全社へ共有しました。これらの取り組みを通じて、TPSの考え方と実践が各部へ着実に浸透しました。

人財採用強化

人財基盤のさらなる強化に向けて、従来の採用活動に加え、グローバル人財の採用およびアルムナイ採用の取り組みを開始しました。グローバル人財採用では、専門性の高い海外人財の採用を進めることで、多様な知見や文化を組織に取り込み、グローバル市場での競争力向上をめざしています。
また、アルムナイ採用については、当社で培った経験や価値観をもつ退職者との継続的なつながりを構築し、再び活躍いただく機会を広げています。即戦力人財の確保に加え、社外で得た知見や経験を組織へ還元することで、組織の活性化にもつなげていきます。

挑戦と成長を引き出すしくみ・風土づくり
~挑戦・成長・活躍機会の拡大~

当社では、社員一人ひとりが自律的に挑戦し、成長し続けることが、企業価値向上につながるとの考えのもと、人財育成およびキャリア自律支援に積極的に投資しています。

人財育成への取り組み

社員一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、職場の上司と部下による年3回の定期面談や、階層別教育・職能別教育・職場別教育からなる各種教育の実施を通じて、「活躍・成長のサイクル」を回します。階層別教育においては、上位の役割資格に相当するマインド・スタンス・スキルを身に付けるための「準備研修」を実施し、昇格後のスムーズな役割発揮をめざしています。また、在籍する社員に対し、リスキルの機会を提供しています。具体的には、市場ニーズに合わせ、ソフト化に対応するスキルを習得することで、活躍の場を拡大し、本人と会社の成長を実現していきます。それに伴い、東海理化学園の教育カリキュラムもソフト重視へ転換を図っています。

活躍・成長のサイクル

キャリア自律支援の取り組み

当社では、キャリア自律支援の目的を、「社員の経験やスキル・個を活かし個人の成長(=会社の成長)を促進すること」とし、社員のキャリア自律に向けたさまざまな取り組みを行っています。

3年連続異動を希望している社員の異動・育成計画

社員一人ひとりのキャリア自律を支援することを目的に、育成計画の策定および上司との対話を基本方針とし、3年連続で異動希望を提出した社員に対して職場が計画的に対応する制度を導入しています。2025年度は165名が希望を提出し、42名の異動計画を策定、そのうち、30名の異動を実現しました。2026年度は149名が3年連続の異動希望となっており、一人ひとりの異動・育成計画を確認するとともに、上司との対話の促進を通じて、キャリアの方向性について深い理解と合意形成が図られるよう働きかけを行っています。

2025年度 異動希望/異動・育成計画
2023〜2025年度
連続異動希望者
165名
2025年度に異動と策定 42名内30名異動 88名
(2025〜2027年度異動計画策定)
2026年度・2027年度に異動と策定 46名
異動以外の育成計画 77名
2026年度 異動希望/異動・育成計画
2024〜2026年度
連続異動希望者
149名
2026年度に異動と策定 2026年度10月末までに各部で策定
2027年度・2028年度に異動と策定
異動以外の育成計画

社内公募・FA制度の定着と活用拡大

社員の主体的なキャリア形成を支援するため、社内公募制度およびFA制度の運用を推進しています。両制度を通じて、社員が自らの意思で新たな業務や役割に挑戦できる機会を提供し、適材適所の実現と組織の活性化を図っています。社内公募制度については、2024年度の対象者拡大以降、累計61名の異動が成立しており、制度を通じた自律的なキャリア選択が着実に進展しています。また、2025年度に導入したFA制度においても、運用開始後に累計24名の異動が成立しており、社員の挑戦機会の創出と組織内の人財流動化の促進につながっています。今後も制度の認知向上および活用促進に取り組み、社員一人ひとりのキャリアビジョンの実現を後押ししていきます。

キャリア入社者の早期活躍を支えるオンボーディングの強化

新卒・キャリア採用の区別なく新たな仲間を迎える「TR Welcome Day」を開催し、東海理化らしさや価値観への理解、一体感の醸成を図っています。そのうえで、キャリア入社者の早期活躍を実現するため、教育体系の抜本的な見直しを進めています。スキル習得に加え、企業文化の理解までを含めた育成モデルへと転換を図っています。
会社の歴史やTRV2030、東海理化イズムなどを通じた価値観の浸透に加え、TPS教育や工場見学を通じた現場理解、BtoBビジネスへの認識強化を体系的に実施しています。また、東海理化におけるDXの考え方を理解して、率先してDX推進の役割を担う人財を育成しています。
これにより、多様な人財が早期に組織へ適応し、その強みを発揮できる環境を整備しています。

社長講話(入社2年目、3年目、キャリア入社向け)

TPS原理原則および考動宣言を「知識」としてではなく「自分事」として腹落ちさせることを目的に、定期入社2~3年目社員およびキャリア入社者を対象に、社長講話および座談会を実施しました。入社後一定期間を経て、現場・業務への理解が進んだタイミングで、社長自らの言葉により、その背景や本質、事業における意味合い、社員に求められる行動について直接伝える機会としています。講話に加え、座談会形式での対話を実施することで、一方的な理解に留まらず、参加者自身が「自分はどう考え、どう行動するか」を言語化する場を設けています。これにより、TPSや東海理化の考え方を日々の業務に結び付ける行動変容を促進しています。

社員の成長と活躍を支える人への投資

賞与の一部を月例賃金へ移行し、毎月の収入の安定化と生活設計のしやすさを向上させるとともに、賞与における評価反映を強化し、成果に応じたメリハリのある処遇を実現しています。また、子育て・介護・障がいのあるご家族を支える社員への手当の拡充など、仕事と生活の両立を支援する制度を充実させることで、多様な人財が安心して能力を発揮できる環境づくりを推進しています。さらに、株式報酬制度の導入により、中長期的な企業価値向上への意識を高め、一人ひとりの挑戦と成長を促進しています。これらの取り組みを通じて、社員エンゲージメントの向上と持続的な価値創出の実現をめざしています。

未来を担う子どもたちの成長を支援する取り組み

東海理化は、地域社会への貢献と次世代を担う子どもたちの育成を目的とした活動を推進しています。
その一環として、3歳から9歳の子どもを対象としたランバイクイベントに協賛しています。毎年4月には、本社社員駐車場を会場として提供し、全国の地方予選を勝ち抜いた選手たちが大口町に集う全国決勝大会が開催されています。地域の皆さまとの交流を深めるとともに、子どもたちが挑戦する喜びや達成感を育む機会の創出に貢献しています。
また、社員の子どもたちを対象とした「モノづくり教室」を、本社・本社工場(大口町)、音羽・萩工場(豊川市)、豊田工場(豊田市)で開催しています。実際にモノづくりを体験し、その楽しさや魅力に触れてもらうことで、将来の日本のモノづくりを支える人財へと成長してくれることを期待しています。
今後も地域社会とのつながりを大切にしながら、子どもたちの健やかな成長と学びを支援する活動を継続していきます。

指標および目標

当社では、戦略の実現に向けて、次の指標を用いて施策の推進を行っており、当該指標に関する目標および実績は、次の通りです。

領域 指標 定義 2025年度
実績
2026年度
目標
2030年度
目標
変革をリードする人財の育成 マネジメント力強化研修受講率 研修受講者/全ライン長 36.70% 68% 100%※
海外トレーニー派遣者数 派遣人数の累積人数 5名 10名 30名
挑戦・成長・活躍機会のさらなる拡大 今の会社で働くことができて
本当に良かったと思う回答率
社員サーベイ 73% 75%以上 80%以上
チャレンジングな目標設定が
できている回答率
上位資格レベルの目標設定を
している社員の割合
52.40% 70%以上 80%以上※
女性管理職比率 全管理職に占める女性管理職の割合 2.10% 2.80% 5.10%
女性主任職比率 全主任職に占める女性主任職の割合 5.70% 6.40% 8.50%
ダイバーシティ推進に関わる
活動への参加率(累計)
活動参加者/在籍者 43% 60% 100%

※2027年度目標