社会課題解決型商品・サービスの開発

東海理化は、これまで人とクルマをつなぐ製品つまり「モノ」の提供を通じ成長をしてきました。
今後も「人が手掛けないことこそやる」という創業者精神を引き継ぎつつ、クルマ・モビリティ領域で培った“技術” “実績”を、進化・深化させ、安全・安心で豊かなMobility Lifeに貢献します。さらに、クルマ・モビリティ以外の社会課題や困りごとを解決するサービスである「コト」に事業領域を拡大し、安全・安心で豊かなBetter Lifeに貢献します。

地域、地球への貢献 バイオマス複合材料「BAMBOO+®」

地球温暖化や資源の枯渇が深刻化する中、持続可能な社会の実現は急務となっています。製造業においては、環境負荷の軽減と地域社会との調和が求められています。
BAMBOO+®は、地域で集材した竹を独自技術で繊維化し、樹脂と複合化することで工業的に成形可能にした新素材です。竹繊維を約半分含むことができるため、石油由来原料を大幅に削減します。また、竹を伐採して放置竹林の拡大を防ぎ、里山の景観と生態系の保全に寄与します。
このプロジェクトは、地域の方々との協力のもとで進めており、日本の竹を活用した持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。単なる環境対応素材にとどまらず、地域経済の活性化や社会全体のWell-Beingにも貢献することを目指しています。
成形した製品は、自然の模様や質感を活かしたデザインが可能で、塗装やフィルム加飾を必要とせず、自動車内装部品を始めとした様々な分野への応用が期待できます。東海理化が長年培ってきた「目で見て、手で触れる」自動車部品開発の知見を活かし、性能とデザイン性を両立させた材料を実現しました。

2026年1月、BAMBOO+®はLEXUS新型ISのオーナメントパネルに採用され、自動車部品として初めて実用化されるなど、社会実装への大きな一歩を踏み出しました。

車輪脱落事故ゼロへ 予兆検知システム「天護風雷」

近年、大型車両の車輪脱落事故は依然として後を絶たず、2025年度には日本国内だけでも128件の車輪脱落事故が発生しています。事故車両調査の結果、車輪脱着作業時に適切な点検・清掃、潤滑剤の塗布や劣化した部品の交換がされていない車両や、車輪脱着作業後の増し締めが実施されていない車両が散見されています※。
本システムは、当社の従来製品開発で培ったセンサー・通信技術を活かし、走行中に常時監視を行うことで、ナットの回転緩みの初期段階で異常を検知し、ドライバーへ車輪脱落の予兆を通知することができます。そのため、運転経験に頼ることなく、より正確に、且つ、容易に車輪脱落の予兆を把握することができ、ドライバーの負担軽減も期待できます。また、車種・型式・年式を跨いで既販車に搭載できるという部分は、今まで他社が手を出せなかった領域であり、「人が手掛けないことこそやる」という当社の創業者精神を引き継いでいます。
多くのドライバーにお届けできるように、本システムは国土交通省 先進安全自動車(ASV)の補助金の対象に選定されています(2026年10月時点)。

※国土交通省物流・自動車局調べ:
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/002022981.pdf

特定外来生物アルゼンチンアリの駆除剤「ぷりっとべイト」

当社は、生態系を脅かす外来種アルゼンチンアリの防除に向け、車載部品メーカーとして培ったグリースの知見を応用し、国立環境研究所との連携のもと、グリース基材のベイト剤「ぷりっとベイト」を開発しました。
天然由来成分を中心とし、雨風に強く垂直面にも塗布可能なこの駆除剤は、従来の防除における課題を解決し、活動の継続性を飛躍的に向上させます。
さらに、当社は単なる製品提供に留まらず、行政・地域・企業をつなぐハブとして機能し、防除計画の立案や方法の指導、合同勉強会の主催などを通じて、自動車業界の「カイゼン文化」を応用した、官民協働による持続可能な新しい防除モデルを構築しています。
岐阜県可児市での実証実験では、短期間で95%以上の生息域縮小に成功しました。現在、東海エリアの多くの行政と連携し、2025年10月現在161ha(東京ドーム約34個分)の広域に対して継続した防除活動を実施しています。この取り組みは、国立環境研究所からの学会報告で学術的な裏付けを得ており、また、環境省グッドライフアワード サステナブルデザイン賞、グッドデザイン賞ベスト100を受賞し、社外的にも社会的意義と先進性が高く評価されております。
当社は、この持続可能な防除モデルを全国へ展開することで、生物多様性保全と企業価値向上を両立させる、全く新しいサステナブルな事業に挑戦し続けてまいります。

グリースガンで数m先へ飛ばして塗布する様子

社用車管理システム「Bqey」

~企業の安全運転とコンプライアンス強化を支える、社用車DXプラットフォーム~

企業における安全運転管理の重要性は年々高まっており、アルコールチェック義務化への対応に加え、多拠点での車両運用管理や運転記録の管理、ガバナンス強化が求められています。
当社は、自動車メーカー向けに長年培ってきた「認証」「鍵」「安全」に関する技術を活かし、社用車管理システム「Bqey(ビーキー)」を提供しています。Bqeyは、車両予約、デジタルキー、アルコールチェック、運転日報、日常点検、有効期限管理など、社用車利用に必要な業務をスマートフォンとクラウド上で一元管理できるサービスです。利用者の利便性向上と管理者の業務負荷削減を同時に実現し、企業のDX推進にも貢献しています。
さらに、車両利用データを活用した稼働分析により、適正な車両保有台数の検討や遊休車両の削減を支援します。これにより、車両購入費や維持費の最適化だけでなく、環境負荷低減にもつながります。
また、アルコールチェックと車両利用を連動させた「アルコール・インターロック機能」により、飲酒運転を未然に防止する仕組みを提供しています。単なる記録管理にとどまらず、「飲んだら乗れない」を実現することで、企業のコンプライアンス強化と社会的信頼性向上に貢献します。
当社は今後も、モビリティ分野で培った技術と知見を活かし、安全・安心な移動と持続可能な企業活動を支えるサービスの提供を通じて、より豊かな社会の実現に貢献していきます。

無人レンタカーシステム「Uqey(ユーキー)」

2022年11月にデジタルキーを活用した無人レンタカーシステム「Uqey」を発表し、2023年1月沖縄を皮切りにサービス開始しました。
レンタカー事業者と利用者をつなぐマッチングアプリとして、車両検索・予約・免許証確認(本人確認)・貸渡証発行・デジタルキーでの施解錠・決済などの機能を提供します。
利用者の方は、予約から返却・支払いまでスマホひとつで完結するため、店頭受付不要、24時間出発返却が可能です(一部ステーションを除く)。また、レンタカー事業者の方には、ステーションの無人化などにより、人的リソースの制約を解消、事業の拡大に寄与します。

2026年9月現在、レンタカー事業者27社、北海道・福岡・沖縄を中心に全国15都道府県、342か所にステーション開設しサービスを展開しています。
会員数約38,000人、総利用件数16,000件を超え、これからも多くのお客様とレンタカー事業者様にご利用いただきながら、皆様の声を反映し、より使いやすく便利なサービスに進化させていきます。

車内置き去り防止支援システム

~悲しい事故を受けた超短納期での商品化~

2022年9月、幼稚園児通園バス置き去りという痛ましい事故の報道を受け、このような悲しい事故は二度と起こさないとの思いで、社内関係部署一丸となって開発を推進しました。国交省へのプレゼン、トヨタ・日産への売り込み、社外関係者とも密に連携し、これまでにないスピードで製品化し、2023年3月にリリースしました。量産品をベースに開発することで、短納期開発、車載品質の確保が可能になり、車両のイグニッション信号のみを使用し装置の起動・停止をすることで、既存車両への搭載を容易にしました。さらに声案内による車内警報で、初めて利用される方でも容易にわかる操作にしています。

かぞくのドライブサポートアプリ「FamiCa®」

~後部座席見守りシステムで、安全で安心な運転をサポート~

当社は、子育て世代が抱える「運転中に後部座席の子どもの様子が分からない」「子どもへの対応により運転に集中しにくい」といった移動時の課題解決に向け、スマートフォンアプリ「FamiCa -かぞくのドライブサポートアプリ-」を開発しました。
本アプリは、運転席に固定したスマートフォンと後部座席のタブレットを連携させることで、走行中でも後部座席の子どもの様子を確認できるアプリです。また、前後席でのコミュニケーション機能や幼児向けコンテンツの提供により、子育て世代の安心・安全な運転をサポートします。

本アプリの特長

  • 後部座席のお子さまの様子をリアルタイムで確認でき、運転中の不安を軽減
  • 前方から視線を大きくそらすことなく会話でき、運転への集中をサポート
  • 動画やキャラクターなど、お子さまが楽しく過ごせるコンテンツを提供

当社は、FamiCaを通じて子育て世代の移動時の不安や負担の軽減に取り組むとともに、安全運転を支援することで、家族が安心して移動できる社会の実現に貢献していきます。

アップサイクルブランド「THINK SCRAP(シンクスクラップ)」

2020年、東海理化では全社員を対象に新規事業アイデアを公募し、1,900件を超える提案が寄せられました。その中から10のテーマに絞り込む過程で、「シートベルト端材を有効活用し、SDGsに貢献したい」という声が多く含まれていることに気づきました。自動車用シートベルトの製造工程では、日々少なくない量の端材が発生します。「廃棄せざるを得ない高品質素材に、新たな価値を与えたい」——その思いが、THINK SCRAP誕生の原点となりました。
しかし、シートベルトは高い強度を持つ反面、特殊な縫製技術が必要であり、社内だけでは製品化に課題がありました。そこで、私たちの取り組みに共感し、複雑な加工を担っていただける縫製工場との出会いが、大きな前進につながりました。また、シートベルト以外の素材にも可能性を広げるべく、「他業界にも同様の課題があるのではないか?」と考え、多くの企業に声をかけたことで、多様な端材の提供を受けられるようになりました。
現在は当社オリジナル商品に加え、企業や学生との協働による商品開発も積極的に推進し、端材の新しい価値創出を通じてSDGs達成に貢献しています。

シートベルトだけで作られた丈夫なポーチ
2026年7月から中部国際空港セントレア内「ALL TOYOTA CIRCULAR STORE」に出店