社会課題解決型商品・サービスの開発
東海理化は、これまで人とクルマをつなぐ製品つまり「モノ」の提供を通じ成長をしてきました。
今後も「人が手掛けないことこそやる」という創業者精神を引き継ぎつつ、クルマ・モビリティ領域で培った“技術” “実績”を、進化・深化させ、安全・安心で豊かなMobility Lifeに貢献します。さらに、クルマ・モビリティ以外の社会課題や困りごとを解決するサービスである「コト」に事業領域を拡大し、安全・安心で豊かなBetter Lifeに貢献します。

地域、地球への貢献 バイオマス複合材料「BAMBOO+®」
地球温暖化や資源の枯渇が深刻化する中、持続可能な社会の実現は急務となっています。製造業においては、環境負荷の軽減と地域社会との調和が求められています。
BAMBOO+®は、地域で集材した竹を独自技術で繊維化し、樹脂と複合化することで工業的に成形可能にした新素材です。竹繊維を約半分含むことができるため、石油由来原料を大幅に削減します。また、竹を伐採して放置竹林の拡大を防ぎ、里山の景観と生態系の保全に寄与します。
このプロジェクトは、地域の方々との協力のもとで進めており、日本の竹を活用した持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。単なる環境対応素材にとどまらず、地域経済の活性化や社会全体のWell-Beingにも貢献することを目指しています。
成形した製品は、自然の模様や質感を活かしたデザインが可能で、塗装やフィルム加飾を必要とせず、自動車内装部品を始めとした様々な分野への応用が期待できます。東海理化が長年培ってきた「目で見て、手で触れる」自動車部品開発の知見を活かし、性能とデザイン性を両立させた材料を実現しました。



車輪脱落事故ゼロへ 予兆検知システム「天護風雷」
近年、大型車両の車輪脱落事故は依然として後を絶たず、2024年度には日本国内だけでも120件の車輪脱落事故が発生しています。事故車両調査の結果、車輪脱着作業時に適切な点検・清掃、潤滑剤の塗布や劣化した部品の交換がされていない車両や、車輪脱着作業後の増し締めが実施されていない車両が散見されています※。
本システムは、当社の従来製品開発で培ったセンサー・通信技術を活かし、走行中に常時監視を行うことで、ナットの回転緩みの初期段階で異常を検知し、ドライバーへ車輪脱落の予兆を通知することができます。そのため、運転経験に頼ることなく、より正確に、且つ、容易に車輪脱落の予兆を把握することができ、ドライバーの負担軽減も期待できます。また、車種・型式・年式を跨いで既販車に搭載できるという部分は、今まで他社が手を出せなかった領域であり、「人が手掛けないことこそやる」という当社の創業者精神を引き継いでいます。
多くのドライバーにお届けできるように、本システムは国土交通省 先進安全自動車(ASV)の補助金の対象に選定されています(2025年11月時点)。
※国土交通省物流・自動車局調べ:
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001912901.pdf

特定外来生物アルゼンチンアリの駆除剤「ぷりっとべイト」
当社は、生態系を脅かす外来種アルゼンチンアリの防除に向け、車載部品メーカーとして培ったグリースの知見を応用し、国立環境研究所との連携のもと、グリース基材のベイト剤「ぷりっとベイト」を開発しました。
天然由来成分を中心とし、雨風に強く垂直面にも塗布可能なこの駆除剤は、従来の防除における課題を解決し、活動の継続性を飛躍的に向上させます。
さらに、当社は単なる製品提供に留まらず、行政・地域・企業をつなぐハブとして機能し、防除計画の立案や方法の指導、合同勉強会の主催などを通じて、自動車業界の「カイゼン文化」を応用した、官民協働による持続可能な新しい防除モデルを構築しています。
岐阜県可児市での実証実験では、短期間で95%以上の生息域縮小に成功しました。現在、東海エリアの多くの行政と連携し、2025年10月現在161ha(東京ドーム約34個分)の広域に対して継続した防除活動を実施しています。この取り組みは、国立環境研究所からの学会報告で学術的な裏付けを得ており、また、環境省グッドライフアワード サステナブルデザイン賞、グッドデザイン賞ベスト100を受賞し、社外的にも社会的意義と先進性が高く評価されております。
当社は、この持続可能な防除モデルを全国へ展開することで、生物多様性保全と企業価値向上を両立させる、全く新しいサステナブルな事業に挑戦し続けてまいります。
デジタル知育玩具「感触ペン®」
~ハプティクス技術で子どもの好奇心を刺激~
「さわる TECH(テック)」は、iPadアプリと専用の感触ペンを組み合わせ、デジタル上で“触れる体験”を提供する幼児向けデジタル知育サービスです。当社は、自動車部品メーカーとして培った最新のハプティクス技術を活用し、「感触ペン」をピープル株式会社と共同開発しました。
感触ペンの特長
- 1歳半から安心して遊べる、安全性に配慮した設計
- 感触の違いをしっかりと感じ取れるよう、独自のアルゴリズムで編集した300種以上の感触※を搭載
※包丁やノコギリ、ハサミなどを使って物を切るときの感覚や動物の感触など
日常生活では、子どもが興味を示しても、危険性や時間的制約などの理由から、思う存分様々な体験ができないことがあります。「さわる TECH」では、そうした体験をデジタル上で「いつでも」「どこでも」「好きなだけ」楽しむことができます。感触があることで集中力が高まり、記憶にも定着し、日常生活での「やってみたい!」という興味にもつながっていきます。
幼児期の触覚は大人よりも敏感であり、さまざまな触覚刺激を通じて子どもたちは日々情報を得ています。視覚聴覚だけではなく触覚を刺激する「感触」の体験を追加することで、能動的に考える・集中する力が育まれ、記憶にも定着しやすいと言われています。
当社は今後も、自動車部品メーカーとしての信頼性と技術力を活かし、暮らしに安心、安全と快適をもたらす製品開発を続けてまいります。





社用車管理システム「Bqey」
~『飲んだら車両が起動できない仕組み』を実現し、企業のコンプライアンス強化にも貢献~
当社は、2022年より社用車管理システム「Bqey(ビーキー)」を提供し、社用車を利用するために必要な車両予約、アルコールチェック、運転記録、点検結果の記録、車両の施錠・解錠などをスマートフォンひとつで完結できる仕組みを実現してきました。免許証や車検証などの情報はクラウドで一元管理され、利用者と管理者双方にとって利便性と安全性を高めています。また、デジタルキー機能により、鍵の紛失リスクを低減し、複数人での車両共有もスムーズに行えます。さらに、運転前後のアルコールチェック機能や運行記録機能を搭載し、安全運転意識の向上や飲酒運転防止にも貢献しています。
この取り組みをさらに進化させるため、当社はGlobal Mobility Service株式会社、大日本印刷株式会社と協業し、2025年1月20日より社用車向けアルコール・インターロック機能の提供を開始しました。この機能は、運転者がアルコールチェックを実施していない場合、または呼気からアルコールを検知した場合に、車両のエンジンを起動できないよう制御し、飲酒運転を未然に防止します。2022年4月より、一部の白ナンバー事業者にはアルコールチェックの実施と記録保存が義務化されましたが、従来の仕組みではアルコールが検知された場合でも、物理的には運転者の自己判断により運転できてしまうという課題がありました。
この課題を解決するために、アルコールチェックと車両の起動制御を連携させることで「飲んだらエンジンがかからない」仕組みを実現します。
これにより、飲酒運転の根絶に加え、企業のコンプライアンス強化や従業員の安全確保、リスクの低減、回避に貢献します。
当社は今後も、Bqeyとアルコール・インターロック機能の普及を通じて、交通事故を未然に防ぎ、人々が安全・安心に暮らせる社会の実現を目指します。

無人レンタカーシステム「Uqey(ユーキー)」
2022年11月にデジタルキーを活用した無人レンタカーシステム「Uqey」を発表し、2023年1月沖縄を皮切りにサービス開始しました。
レンタカー事業者と利用者をつなぐマッチングアプリとして、車両検索・予約・免許証確認(本人確認)・貸渡証発行・デジタルキーでの施解錠・決済などの機能を提供します。
利用者の方は、予約から返却・支払いまでスマホひとつで完結するため、店頭受付不要、24時間出発返却が可能です(一部ステーションを除く)。また、レンタカー事業者の方には、ステーションの無人化などにより、人的リソースの制約を解消、事業の拡大に寄与します。
2025年10月現在、レンタカー事業者27社、北海道・福岡・沖縄を中心に全国15都道府県、293か所にステーション開設しサービスを展開しています。
会員数約30,000人、総利用件数10,000件を超え、これからも多くのお客様とレンタカー事業者様にご利用いただきながら、皆様の声を反映し、より使いやすく便利なサービスに進化させていきます。

車内置き去り防止支援システム
~悲しい事故を受けた超短納期での商品化~
2022年9月、幼稚園児通園バス置き去りという痛ましい事故の報道を受け、このような悲しい事故は二度と起こさないとの思いで、社内関係部署一丸となって開発を推進しました。国交省へのプレゼン、トヨタ・日産への売り込み、社外関係者とも密に連携し、これまでにないスピードで製品化し、2023年3月にリリースしました。量産品をベースに開発することで、短納期開発、車載品質の確保が可能になり、車両のイグニッション信号のみを使用し装置の起動・停止をすることで、既存車両への搭載を容易にしました。さらに声案内による車内警報で、初めて利用される方でも容易にわかる操作にしています。

アップサイクルブランド「Think Scrap(シンクスクラップ)」
2020年、東海理化では全社員を対象に新規事業アイデアを公募し、1,900件を超える提案が寄せられました。その中から10のテーマに絞り込む過程で、「シートベルト端材を有効活用し、SDGsに貢献したい」という声が多く含まれていることに気づきました。自動車用シートベルトの製造工程では、日々少なくない量の端材が発生します。「廃棄せざるを得ない高品質素材に、新たな価値を与えたい」——その思いが、Think Scrap誕生の原点となりました。
しかし、シートベルトは高い強度を持つ反面、特殊な縫製技術が必要であり、社内だけでは製品化に課題がありました。そこで、私たちの取り組みに共感し、複雑な加工を担っていただける縫製工場との出会いが、大きな前進につながりました。また、シートベルト以外の素材にも可能性を広げるべく、「他業界にも同様の課題があるのではないか?」と考え、多くの企業に声をかけたことで、多様な端材の提供を受けられるようになりました。
現在は当社オリジナル商品に加え、企業や学生との協働による商品開発も積極的に推進し、端材の新しい価値創出を通じてSDGs達成に貢献しています。
