特集1:BAMBOO+®が切り開く未来

地球温暖化や資源の枯渇が深刻化する中、私たちは持続可能な社会の実現を急務としています。特に製造業や素材産業において、環境負荷を軽減し、地域社会と調和したビジネスモデルの構築が重要視されています。バイオマス複合材料「BAMBOO+®」は、竹という持続可能な資源を最大限に活用することで、Well-Being(幸福度向上)と環境対応・地域経済へ貢献する新たな可能性に向かって前進しています。

地域、地球への貢献

地域のこと、地球のこと

このプロジェクトは地域の方々と協力しながら進められています。竹を定期的に刈り取ることで竹林や里山の美しさを保つとともに、石油由来の材料使用量の低減にも貢献する材料です。
私たちは、国産竹を活用した持続可能なビジネスモデル構築を通じ、「ネイチャーポジティブ」な未来の実現をめざしています。

BAMBOO+ロゴ

国内にある持続可能な資源“竹”について

竹は成長が早く、環境への負荷が少ない素材で、昔から私たちの生活に寄り添ってきました。しかし、現在では竹林の管理が行き届かず、その成長の早さが逆に問題を引き起こしています。竹林が放置されると、周辺の森林に侵入し、生態系や景観に悪影響を及ぼすだけでなく、災害の原因にもなり得ます。だからこそ、私たちが竹を資源として活用し、適切に整備することで、竹を再び持続可能な資源とすることが重要です。竹は資源供給が持続可能な素材であり、私たちの未来にとって非常に価値のあるものです。

BAMBOO+®がめざすのは、環境に優しいだけでなく、地域経済にも貢献し、社会全体のWell-Beingを向上させる未来です。持続可能な竹繊維素材を活用した製品は、私たちの生活の中でより一層重要な役割を果たすでしょう。2050年までにカーボンニュートラルを達成するという壮大な目標に向け、BAMBOO+®の挑戦はこれからも続いていきます。今後も私たちは、持続可能な社会を実現するために、革新的な技術開発と地域社会との連携を強化し、地球と人々に優しい未来を創造していきます。
私たちのビジョンに共感し、ともに未来を切り開くパートナーとの連携を強化してまいります。

BAMBOO+®の技術革新

BAMBOO+®は、地域で収集した竹チップを独自の技術で繊維化し、工業的に成形利用できるように樹脂を複合したバイオマス材料です。「BAMBOO+ BP5300」「BAMBOO+ BP5100」は、竹繊維を50%以上含む、ポリプロピレンベース樹脂が添加された複合材料です。特にBAMBOO+ BP5300は石油由来成分を半減できるうえに、自動車部品への適用可能な物性を有します。これまで手に触れる自動車内装部品を手掛けてきた東海理化だからこそ、素材に求められるニーズをターゲットに、そして早く世の中にこの材料を届けたいメンバーの強い想いでスピード開発が実現しました。塗装やフィルム加飾を必要とせず、自然の模様や質感を活かしたデザインを実現し、持続可能なデザインを求める消費者にも高い評価を得ることができると考えられます。特に自動車産業において、内装材としての適用が進むことで、さらなる市場拡大が見込まれます。

BAMBOO+®(ペレット)
一般社団法人日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク」を取得しています

BAMBOO+®のはじまり

私たちは、1999年に高知県にあるミロク製作所との合弁会社であるミロクテクノウッドを設立し、2008年に竹をハンドルの材料として量産化した歴史があります。竹ハンドルの量産により、竹の工業利用として地域に貢献してまいりましたが、もっと広くサステナブルに竹の活用ができないかと考え、2021年に高知県とミロクテクノウッドの同じ竹ハンドルの仲間たちとともに奮起し、「豊かな社会づくりに貢献する」「自然・地域と共生する」を具現化するために、竹(BAMBOO)に新たな価値をプラス(+)する材料開発をスタートしました。

成長のための戦略と目標

BAMBOO+®は、2030年度までに売上10億円以上をめざし、事業の拡大を計画しています。そのための重要なステップとして、2024年1月には社内カンパニーを立ち上げ、事業運営の体制を整備。これにより、プロジェクトの開発スピード感を高めるだけでなく、従来の働き方を変革し、革新的なビジネス展開を推進しています。さらに2024年3月には高知県に自社工場を取得し、2025年夏から本格的な生産を開始する予定です。

2030年度までに 売上10億円以上