資本戦略:収益改革本部長メッセージ

企業価値を向上させるために、事業戦略と資本戦略の両輪で、
ステークホルダーからご満足いただける経営をめざします。

収益改革本部長
執行役員
篭橋 榮治

2025年度の振り返りと2026年度の見通し

2025年度は、主要なお客さまの生産台数の増加やインフレコストの一部をお客さまにご負担いただいたことなどにより、売上高は6,447億円と前年度に比べて271億円(4.4%)の増収となりました。収益面では、人的投資や将来投資により固定費は増加したものの、円安の影響や原価改善により、営業利益は356億円と前年度比で4億円(1.0%)の増益となりました。米国関税など外的要因の影響を受ける中、売上高および各段階利益はいずれも過去最高を達成しており、着実に稼ぐ力がついてきていることを実感しています。
なお、2026年度は、お客さまの生産台数が堅調に推移する見込みである一方、中東情勢や急激なインフレの影響など足元の不透明な事業環境を踏まえ、2025年度通期決算発表時点において、売上高6,500億円、営業利益300億円と、前年度比で増収減益を見込んでいます。

連結業績

( )内は利益率

2024年度実績 2025年度実績 増減額 増減%
売上高 6,176億円 ☆6,447億円 +271億円 4.4%
営業利益
(営業利益率)
352億円
(5.7%)
☆356億円
(5.5%)
+4億円 1.0%
経常利益
(経常利益率)
343億円
(5.6%)
☆437億円
(6.8%)
+94億円 27.5%
親会社株主に帰属する
当期純利益(純利益率)
260億円
(4.2%)
☆294億円
(4.6%)
+34億円 13.1%
USDレート 151円 149円 ▲2円 -
EURレート 162円 173円 +11円 -

☆は過去最高

2026年度予想 増減額(前年度比) 増減%(前年度比)
売上高 ☆6,500億円 +53億円 0.8%
営業利益
(営業利益率)
300億円
(4.6%)
▲56億円 ▲15.8%
経常利益
(経常利益率)
330億円
(5.1%)
▲107億円 ▲24.6%
親会社株主に帰属する
当期純利益(純利益率)
200億円
(3.1%)
▲94億円 ▲32.1%
USDレート 150円 +1円 -
EURレート 175円 +2円 -

TRV2030 目標

2025年5月に公表した「TRV2030」においては、2030年度までの成果の具現化および刈り取りと、収益力の維持・向上を実現する体質の構築を基本方針として掲げ、KPIとしては2030年度に売上高7,000億円、営業利益率7%(営業利益490億円)、ROE10%の達成を目標としています。今回2026年5月には、当該計画の進捗および取り組み状況を更新しました。
①既存の車載分野においては、SE活動の強化やTPS・DXの活用などにより、原価改善効果が顕在化しつつあります。今後も目標達成に向け、1円・1秒・1mmの原単位に徹底的にこだわったSE活動の強化に加え、DXを活用した開発から生産準備までのリードタイム圧縮、ならびに製品の共通化・種類削減による開発・設計・調達・製造の効率化を推進していきます。
②新領域・新規事業においては、2025年度にBAMBOO+®の量産を開始するとともに、ゲーミングデバイス「ZENAIM」において新製品を市場投入しました。また、自動運転遠隔監視に関する実証実験への参画など、新しい事業化に向けた具体的な取り組みも進行しています。今後は、これらの取り組みを確実に収益へ結び付けるべく、事業化した製品の拡販および収益化を推進するとともに、新事業促進プラン(節目管理)による事業化支援を通じて、将来の成長を担う新たな柱の創出を進めていきます。

2030年度目標

  • 営業利益率:7%(490億円)
  • ROE:10%

1. 車載分野でしっかり稼ぐ

想定以上の受注を背景に効率的に収益確保

  • 1円・1秒・1mmの原単位にこだわるSE活動と原価改革
  • 開発~生産準備リードタイム圧縮(DX活用)
  • 製品の共通化/種類削減、設備の共用化

2. 新規ビジネスの創出、付加価値の拡大

種まきフェーズから刈り取りフェーズへ

  • 次年度KPI設定
  • 新事業促進プランによる節目管理
2030年度収益目標

企業価値向上に向けた取り組み

1. PBR向上に向けた取り組み

PBR向上に向け、事業戦略と資本戦略の両輪により取り組みを推進しています。具体的には、下表の通り中期的な取り組み事項を①ROEの向上、②期待成長率の向上に大別し、2030年度における目標ROE10%を重点KPIとして設定しています。合わせて、売上高純利益率、総資産回転率、財務レバレッジといった構成要素についても具体的な目標を定め、改善に取り組んでいます。事業戦略においては、徹底した原価改善および拡販を通じて既存事業の収益力向上を図るとともに、新規事業の早期事業化を強力に推進し、純利益の増大をめざしていきます。資本戦略においては、資本コストを意識した中期的な取り組み事項を掲げています。2025年度は、政策保有株式の縮減や株式報酬制度の導入などを実施し、特に自己資本の最適化および自己株式の有効活用に重点を置いた取り組みを推進しました。今後も目標達成に向け、これらの取り組みを着実かつ継続的に実行することにより、企業価値の持続的な向上および株主還元の充実を図っていきます。

PBR向上に向けた取り組み

ROEとPBRの相関図

※株価は年度末時点

2025年度実績 2030年度目標
ROE 9.0% 10%超
売上高純利益率 4.6% 5.3%
総資産回転率 1.22 1.23
財務レバレッジ 1.62倍 1.66倍

当社の資本コスト8.5%

【課題】

  • 自動車の内装変化に伴う当社主力事業の成長懸念
  • 品質問題に起因するネガティブ成長懸念
項目 ① ② 中期取り組み事項 2025年度実施
売上・利益向上 ● ● 既存事業:円滑な立上げ、付加価値アップ HMI製品の受注拡大、シートベルトの拡販
● ● 1/n設備投資、サプライチェーン見直し 協働ロボの開発、コンパクト塗装ブース導入
● 新領域、未来創造投資の収益化
  • BAMBOO+® 高知工場の立上げ、出資を通じた新領域開拓
  • 事業化推進中の製品/サービスでは、共創型チームなど推進体制構築
● ● リコールフリー トレーサビリティの強化、材料~部品~完成品~出荷便までの紐づけ
自己資本の圧縮 ● 自己資本比率の改善、レバレッジの有効活用
  • 政策保有株縮減(2023年度:15銘柄、256億円 →2025年度:6銘柄、21億円)
  • 株主還元(目安以上のDOE実績、累進配当継続)
● 株主還元(増配、自己株取得)、保有株式の縮減
人的投資 ● 自己株式の有効活用 株式報酬制度導入、基幹職以上への毎期継続割当て
サステナビリティ対応 ● サステナビリティ委員会新設 2025年5月 委員会設置(4回開催)。弱みから順次検討
投資家との対話 ●
  • 国内/海外投資家との定期的な対話
  • 個人投資家へのIR活動など情報発信を強化
機関投資家・アナリストとの対話件数 1.5倍、個人向けのIR説明会実施

2. キャッシュ・アロケーション、株主還元

キャッシュ・アロケーションの基本方針としては、不測の事態に備えた必要資金を「固定費6カ月相当の600~700億円」と設定し、これを超過する資金については、将来の成長に向けた投資および株主還元に充当する方針としています。2026年度から2028年度にかけては、2030年に向けた成長投資として、車載事業に750億円以上、新規事業・未来創造投資へ200億円以上を計画しています。また、同期間において総額650億円規模の株主還元を想定しており、安定的な配当の継続に加え、自己株式の取得も機動的に検討するなど、積極的な資本政策を推進していきます。配当につきましては、2026年度の年間配当を1株当たり120円とし、配当利回りは4.1%を見込んでいます。これは前年度比で5円の増配となり、2020年度からの累進配当を継続する予定です。これらの取り組みを通じて、成長投資と株主還元の両立を図りつつ、企業価値の持続的な向上をめざしていきます。今後も中長期的な成長と企業価値向上に向け、全社一丸となって取り組みを推進していきます。

2026年度~2028年度キャッシュ・アロケーション(2030年に向けた成長投資)

株主還元の推移

安定的な配当の継続を基本とし、以下を重視

  • 株主資本配当率(DOE)3%
  • 連結配当性向、配当利回り
1株当たり配当金
2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度(予想)
総還元額 54億円 58億円 213億円※1 81億円 98億円 102億円
DOE 2.3% 2.5% 2.7% 3.2% 3.6% 3.6%
配当利回り 4.0% 3.9% 2.9% 4.3% 3.9% 4.1%※2
配当性向 183.7% 56.3% 27.1% 30.9% 33.2% 51.1%
  1. ※1:自己株取得147億円含む
  2. ※2:2026年3月末時点の株価で算出
総還元額
2023年度〜2025年度 計392億円(年平均130億円)
2026年度〜2028年度 計650億円(年平均210億円)を想定