リスク管理

事業継続計画

当社の事業計画活動は2000年9月の東海豪雨により西枇杷島工場(当時自動車用スイッチなどを組立)で大規模な浸水を経験して以来、ルールづくりと復旧要員の育成を進めてまいりました。地震以外の有事も想定したルールであったからこそ、2020年1月の当社中国事業体からの緊急連絡が発端となった新型コロナウイルスの感染拡大防止についても、アジア、欧州、北米、南米など、世界中の海外拠点とともにお客さまにご迷惑をおかけすることなく事業活動を継続することができました。グループ全体の事業継続計画における危機管理活動はパンデミックにおいても有効に機能していることを確認することができました。私たちの事業継続計画は『オールハザードBCP』として当社およびサプライチェーン全体を包括的に推進する活動です。今年度は実際に有事の際に活躍していただく方々を対象にした大地震からの初動対応訓練に挑戦いたします。訓練では役員にも大地震からの復旧活動を体験してもらい会社全体の危機意識を高めていきます。有事が起きた際には訓練でスキルアップした社員とともに復旧活動を進めて、できるだけ早く工場の生産活動が再開できるような施策を進めます。地球温暖化の影響により危惧されている集中豪雨や愛知県にも過去に複数回上陸している台風などの風水害についてもサプライヤーの方々とともに準備を進めていきます。当社の事業継続計画は大地震への備えのみならず雪害や風水害などの自然災害および新型コロナウイルスなどによる感染症、そして通信・ネットワークへの脅威などに対してグループ一丸となって取り組んでいます。『災害は起きるものである』と考え、災害への適応力をもった人の育成と事業継続計画(BCP)全体のレベルアップのために生産復旧訓練などで活動内容を評価しながら危機管理活動を進めていきます。

自然災害をはじめとしたリスクに対する未然防止活動および初動対応訓練の実施

南海トラフ地震など大規模な災害に備えて、全社員を対象とした避難訓練を昼勤と夜勤で実施しています。地震が発生した直後を想定した対策本部要員を対象とした訓練を実施することにより、自ら率先し行動できる危機管理能力をもった本部要員を育成しています。本年度は発災後から生産復旧へつなぐ各部の役割を明確化し、その訓練も実施し強化を進めています。火災が発生する可能性のある特殊な工程を保有する職場では初期消火対応の強化を目的とした、火災の消火訓練を定期的に実施しており、訓練には所轄消防署の方々に指導をいただいています。本年はトヨタ自動車株式会社の防災道場「考動館」を基幹職以上の社員が見学し、「火災ゼロの職場の実現」をめざしています。本社が所在する地域自治体との防災協定を締結し、近隣住民の方々の当社での受け入れおよび防災備蓄品・食料などの支援を事前に取り決めし、災害発生時には円滑かつ確実な地域支援を行い地域とともに早期復興をめざしています。

初期消火訓練
PHVからの給電訓練
避難訓練
初動訓練
仮設トイレ設置
屋外避難所
建屋点検
建屋点検

防災監査委員会

災害リスクの高い、半導体製造、鋳造工程、塗装工程、実装工程の4つの重点分野ごとに組織された専門委員会が、年間活動計画に基づき災害リスクの低減活動を推進しています。役員・監査役による専門委員会活動の定期監査を実施して『災害を発生させない職場環境整備と人財の育成』に積極的に取り組んでいます。