ネイチャーポジティブ
国内外で進む化学物質の規制強化や法整備に対応していくとともに、製品開発と生産工程の両面で環境負荷物質の低減を進めています。また、生物多様性保全の活動や地域への貢献活動を通じて、自然と共生する社会の実現に向けた取り組みを展開しています。
TNFD提言の賛同
当社は、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)アダプターに登録し、情報開示を行っています。
TNFD提言で推奨されるシナリオ分析を導入し、特定したリスクと機会に対しては、対応を決めて環境取り組みプランに織り込み、確実且つ計画的に対応を進めています。
まもる、つなげる、ひろめる活動
自然・地域と共生する企業をめざし、希少種保全や外来種駆除による生態系を「まもる」活動や、ビオトープ整備などの生態系ネットワークを「つなげる」活動を、地域や近隣企業と協力し、また社員の家族にも参加いただき、活動の輪を「ひろめ」ながら取り組んでいます。特定外来種オオキンケイギクの駆除活動は、自治体や近隣企業と連携し、地域の根絶に向けて活動エリアを広げながら取り組んでおり、年々参加者が増えています。ラムサール条約登録湿地の豊田市矢並湿地では、シラタマホシクサやミカワシオガマなどの絶滅危惧種が生育しており、市や地域の保存会と継続的に保全活動を行っています。
また、2024年度は、本社の食堂棟の屋上に、ケリやカモなどの鳥類のすみかとなるよう、草地のビオトープを新たに整備しました。このビオトープでは、社員の子どもに自然を体感してもらうイベントも開催し、以前より継続的に行っている近隣小学校のビオトープ管理協力などと合わせて、子どもたちに自然の重要性を伝える活動も行っています。
特定外来生物アルゼンチンアリ駆除剤の開発
特定外来生物アルゼンチンアリの駆除剤「ぷりっとベイト」を開発し、行政の方への販売を開始しました。アルゼンチンアリは世界の侵略的外来種100種(国際自然保護連合)に指定され、高い攻撃性と異常な繁殖力により世界中で生態系を破壊している危険な特定外来生物です。日本でも生息地を広げており、生物多様性が失われる一因となっています。当社は、岐阜県可児市とアルゼンチンアリの防除に関する連携協定書を締結し、アルゼンチンアリの生息調査や防除作業に取り組んでおり、その防除作業において、「ぷりっとベイト」も活用し、アルゼンチンアリの生息分布を大幅に縮小させることに成功しました。
一般的に使用されている駆除エサ剤は粒体や半固体ペーストですが、ぷりっとベイトは、当社の自動車部品製造業として培ってきた知見・技術を活かしグリースを基材としているため、樹木、ブロック塀、石垣など垂直な場所にも塗布が可能で、風や水にも流されにくく、さまざまな場所への直接塗布が可能です。
2024年度からは、愛知県豊橋市においても駆除活動をスタートさせましたが、今後も、特定外来種の駆除活動に苦労されている各行政・各地域の方々と連携し、生物多様性を守る取り組みに貢献していきます。
グッドライフアワード受賞
「特定外来種アルゼンチンアリから生物多様性を守ろう!持続可能な駆除活動を作るサスティナブルアントプロジェクト」が、環境省が主催する第12回グッドライフアワードにおいて、「実行委員会特別賞サステナブルデザイン賞」を受賞しました。グッドライフアワードは企業、学校、NPO、自治体、地域コミュニティ、個人などが行う環境と社会に良い活動を応援するプロジェクトであり、SDGsを体現する取り組みを幅広く表彰しています。
グッドデザイン・ベスト100受賞
アルゼンチンアリ駆除剤「ぷりっとベイト」が、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する2025年度グッドデザイン賞のグッドデザイン・ベスト100を受賞しました。今回の受賞は、行政や研究機関と一緒になって現場・実態を知るだけでなく、作業性向上や社会課題解決に対する姿勢や、環境や安全へも考慮している点を高く評価いただきました。
海洋汚染の防止活動
海洋汚染問題の解決に貢献するため、使い捨てプラスチックの低減や海洋資源の持続可能に配慮した利用など、会社の中でできる取り組みを積極的に行っています。
また、啓発活動などを通じて社員の海洋汚染問題に対する理解を深めるとともに、自主的な行動に促すよう取り組んでいます。
コンタクトレンズ空ケース回収
HOYA株式会社 アイケアカンパニーが行う使い捨てコンタクトレンズ空ケース回収の取り組み、「アイシティ ecoプロジェクト」に参加しています。使い捨てプラスチックを確実に回収管理することで、廃プラによる海洋汚染防止につながります。各工場で活動への参加を呼びかけ、これまで約200kg(空ケース約200,000個分)を回収しました。

サステナブルシーフードの提供
食堂では、持続可能で環境に配慮した漁業で捕られた魚介類「サステナブルシーフード」を使用したメニューを提供しています。食事という毎日欠かすことのできない身近なところから「海の豊かさを守る」選択をしてもらうことで、SDGsの目標への貢献を生活の中で意識してもらい、エシカル消費などの自主的な行動へ促すよう取り組んでいます。
社会との連携
30by30アライアンスの登録
「30by30目標」とは、2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
30by30目標達成に向け、今後日本として現状の保護地域の拡充とともに、民間などによって保全されてきたエリアを自然共生サイトとして認定する取り組みを進めるため、有志の企業・自治体・団体の方々による「生物多様性のための30by30アライアンス」が発足されています。
目標達成のためには、地域、企業そして一人ひとりの力を結集してオールジャパンで取り組む必要があり、東海理化もこの考えに賛同し、30by30アライアンスへ参加しています。

あいち生物多様性企業認証
外来種の駆除や、希少種の保全、生態系ネットワークの形成など、生物多様性に貢献する幅広い活動が認められ「あいち生物多様性企業認証」の優良認証を取得しました。今後は、社会との連携を強化し、活動の輪をさらに広げて、自然環境の保全に貢献できる活動を推進していきます。

オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクトへの参画
人と自然が共生する未来づくりを目的に活動している「オールトヨタ グリーンウェーブプロジェクト」に参画しています。トヨタグループ各社と取り組みを共有し、協働で活動を行うことで、活動の輪を広げ、生物多様性の保全を効果的に進めています。
環境負荷物質の低減
人や環境へのリスクを低減していくため、生産工程で使用する化学物質の使用量や排出量を把握し、環境負荷の高いVOC(揮発性有機化合物)やPRTR法対象物質の低減を推進しています。


