環境経営

東海理化グループでは、環境保全を経営の重要課題と位置付け、環境委員会組織により継続的な活動を展開しています。

連結環境マネジメントの強化推進

推進体制

環境保全の活動方針、中長期目標、重要課題への対応は、社長を委員長とする全社環境委員会で審議し、決定しています。全社環境委員会の下部組織には、生産環境委員会、製品環境委員会、グリーン調達委員会があり、全社環境委員会の決定事項に基づき、それぞれの分野で取り組んでいます。さらに、2021年度からはカーボンニュートラル戦略WGを設立し、社長を含む検討会による迅速な意思決定のもと、社内横断的なプロジェクトを推進しています。

推進体制

環境マネジメントシステムの構築・運用

EMS認証の取得状況

各拠点が、継続的に環境パフォーマンスを向上していくため、環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、外部認証を取得しています。東海理化および全ての海外生産拠点では、ISO14001の認証を取得しており、国内グループ会社では、ISO14001の他、エコアクション21の認証を取得しています。
秋田県に新たに設立された「東海理化トウホク」でもエコアクション21の取得に向けて準備を進めています。

生産拠点における取得状況
生産拠点のEMS外部認証取得状況

環境リスクの低減

生産設備や構内作業における環境へのリスクを評価し、異常排水の漏えいや流出などの緊急事態に備えて、異常の自動検知や緊急遮断、緊急槽への切替えなどの設備対策を進めています。また、緊急事態の発生時には、迅速に対応できるよう手順書や連絡網、必要な備品を整備し、定期的な訓練を実施しています。2023年度は、環境異常・苦情の発生はありませんでした。

緊急事態対応訓練

ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進

仕入先との連携

東海理化および海外拠点各社では、グリーン調達ガイドラインを定め、環境保全に対する考え方を理解していただくとともに、グローバルで環境マネジメントの強化を進めています。仕入先さまで組織する協力会の会員会社に対して、巡回点検によるヒアリングや改善支援などを実施しており、双方のレベルアップにつなげています。

業界団体との連携

日本自動車部品工業会

自動車部品工業会に所属し、地球にやさしい環境作りを推進するために定める「環境自主行動計画」の達成に向け、会員企業とともにCO2低減をはじめとする地球温暖化防止対策や、自動車業界全体を通じたリサイクル推進体制の構築などに取り組んでいます。

EPOC(環境パートナーシップ・CLUB)

中部地域の産業界が中心となって活動しているEPOCの資源循環分科会に所属し、運営スタッフとしても参画しています。EPOCでは、業種・業態の枠を超えて環境負荷低減活動などに関する研究、交流、実践、情報交換を行っています。

人財育成

環境教育

新入社員や昇格者へ実施する階層別教育、環境法令や省エネなど専門知識や技能を習得する職能別教育、各職場ごとの特色に応じて実施する職場別教育など、E-ラーニングも活用した体系的な環境教育を行っています。省エネ活動を各職場で推進していくための人財を育成するための「省エネ道場」を設けています。受講者のレベルに応じて「初段コース」「二段コース」を設け、これまでに実施した省エネパトロールや、多消費設備の省エネ改善事例から技術を学べる場として活用しています。

省エネ教育(E-ラーニング)
新入社員教育

啓発活動

6月の環境月間では、社員の環境意識向上のため、環境KYT(危険予知トレーニング)やカーボンニュートラル、資源循環に関する教育動画の配信など、さまざまな企画を実施しています。
また、省エネへの関心や、改善意識をもってもらうため、毎月デジタルサイネージにてCO2排出実績や再エネ情報、改善事例などを掲載しています。気になった事例などは、環境ポータルサイトを通して閲覧でき、社員が自ら省エネ意識を持つことにもつながっています。

環境の教育動画
デジタルサイネージ

環境情報の開示

非財務情報に対する関心の高まりを受け、環境に関する積極的な情報開示を進めるとともに、ステークホルダーとのコミュニケーションのさらなる充実を図っています。

環境データ

当社グループの環境に関する詳細なデータは、別冊のサステナビリティデータブックで公開をしています。掲載項目は、GRI「サステナビリティ・レポーティング・スタンダード」を参考として、原材料やエネルギー、水と排水、大気への排出、廃棄物などのデータを掲載しています。

サステナビリティデータブック2024

事業活動における投入資源と環境への排出

事業活動で使用するエネルギーや資源、排出されるCO2や廃棄物の全容を把握し、環境負荷の低減取り組みを進めています。

事業活動における投入資源と環境への排出

環境会計

環境保全に係るコストとそれに対する効果を把握し、環境保全活動をより合理的に進めるための指標としています。

環境保全コスト
単位:百万円
  主な取り組み内容 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
事業エリア内コスト 公害防止:公害(大気、水質、騒音など)防止のためのコスト 271 277 307 261 259
地球環境保全:温暖化防止に要したコスト 789 1.090 1,171 1,173 1,434
資源循環:廃棄物処理、廃棄物減量化、リサイクルのためのコスト 295 252 210 197 195
上・下流コスト 環境負荷の少ない製品、燃料および原材料などの購入に伴い発生した差額 23 22 21 22 24
管理活動コスト 環境マネジメントシステムの構築・運用、環境負荷の監視、
事業活動に伴う自然保護・緑化のためのコスト
198 192 507 506 535
研究開発コスト 環境保全に資する製品などの研究開発に要したコスト 417 305 386 452 377
社会活動コスト 事業所を除く自然保護、緑化、美化などの環境改善対策のためのコスト 40 49 108 133 124
環境損傷コスト 環境汚染の修復費用、環境損傷の保険料など 18 16 16 17 18
合計 2,051 2.203 2,726 2,762 2,967
経済効果
単位:百万円
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
省エネによる費用低減 55 78 45 146 55
リサイクル材売却額 1,118 1,073 1,534 1,524 1,657
廃棄物処理費用低減 1 3 3 9 13
合計 1,175 1.154 1,582 1,678 1,725
物量効果
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
省エネによる温室効果ガス低減(t-CO2 1,139 1,613 1,454 3,002 1,123
リサイクル材売却量(t) 9,933 8,963 8,385 7,455 8,710
廃棄物処理量(t) 31 58 58 181 247

環境会計の考え方

環境コストは、発生したときの支払ベースで把握・集計しています。したがって、設備投資は投資額として把握し、滅価償却費は計上していません。環境以外の目的と併せて実施しているものについては、按分により計上しています。環境保全活動に伴う経済効果については、各年度に費用額を確実に把握できる3項目で集計しています。